日報アプリは自社の出面表の様式で作ってもらえますか——合わせられる所と、合わせない所
この記事は「実務Q&A」です。調べ物のための記事です。結論を先に書いています。読み物としての記事は、ブログ一覧の「読み物」からどうぞ。
「日報アプリを入れたけれど、出面表がうちの形で出てこない」。よくいただく質問です。先にお答えすると、出面表の列・単位・並びを貴社の形に合わせることはできます。合わせないのは、法律の判断が入るところです。
ケンセツベースは、約110名の建設グループ(ARCFEELGROUP株式会社)が自分たちのために作って毎日動かしているAIの道具を、貴社の業務に合わせて作り直してお渡しし、その後の運用まで引き受けるサービスです。建設日報アプリはその一本で、社内では2026年1月に着手し、4月11日から実運用に入りました。
市販のアプリで様式が合わないとき、どこまでカスタマイズできて、どこから先は合わせない方がいいのか。線を引ける範囲でお答えします。
日報アプリは、自社の出面表の様式で作ってもらえますか?
出面表の列・単位・並びを貴社の形に合わせることはできます。合わせないのは、法律の判断が入るところです。
出面表とは、誰がどの現場に何人工出たかを日付ごとに並べた表のことです。名前も形も会社ごとに違い、うちで見てきた範囲でも、現場を横に置く会社と縦に置く会社、人工を0.5刻みで書く会社と時間で書く会社が混ざっていました。市販のアプリが合わないのは、この「会社ごとの形」を一つに決め打ちしているからです。
私たちのやり方は逆で、動いている土台を貴社の形の側へ寄せます。土台とは、私たちがグループ5社で毎日使っている建設日報アプリのことです。ゼロから設計するのではなく、すでに回っている物の入口と出口を差し替える作業になります。
「様式が合わない」とは、具体的に何が合わないのですか?
出面表のアプリ化でつまずくのは、たいてい三つです。現場の呼び方、人工の数え方、そして出力する紙の形。
現場の呼び方は、想像より厄介です。同じ現場を「渋谷マンション」と書く人と「渋谷現場」と書く人がいて、どちらも本人の中では正しい。ここを人が読み替えている限り、事務所の手は空きません。
人工の数え方は、会社の決めごとそのものです。0.5人工を認めるか、午前だけの日をどう数えるか、役職ごとに単価を変えるか。ここは合わせる対象であって、直す対象ではありません。
出力する紙の形は、いちばん目に見える部分です。1人1シートの月次にするのか、現場別の明細にするのか、押印欄をどこに置くのか。提出先が決まっている書類ほど、形を動かせません。

合わせ込みでは、何をどこまで決めるのですか?
入口・言葉・出口・締め。この四つを決めれば、あとは動き始めます。カスタマイズと呼ばれる作業の中身は、この四つに収まります。
入口は、どこから送るかです。うちは職人さんがLINE、事務がメールという分け方にしました。新しいアプリを入れて操作を覚えてもらう形にすると、忙しい月から抜けが出ます。
言葉は、現場名・工種・役職の呼び方をマスタに写す作業です。ここが合っていれば、AIが送られてきた文章から現場を当てられます。うちで動いている範囲では、計測を始めた2026年7月3日以降、勤怠の文章からの抽出をAIが1,259回おこなっています。
出口は、Excelの様式です。いまお使いのファイルをそのままいただいて、同じ列・同じ並びで出る形にします。
締めは、順番と締め日です。本人が申請し、会社が承認し、確定したら編集を止める。この順番を先に決めておかないと、給与計算の直前に数字が動きます。
合わせられない所は、どこですか?
法定帳票の「判断」と、給与の確定です。ここは作りません。
たとえば残業が36協定の上限に当たるかどうか、給与や社会保険の額をいくらで確定するか、安全書類がその現場の要件を満たしているか。こうした判断は、間違えたときに会社が責任を負うものです。機械が出せるのは材料までで、決めるのは会社の側だと考えています。
そのかわり、材料を作って見張るところまでは引き受けます。時間を集計して、上限に近づいたら知らせる。ここまでは自動で、そこから先は人が見る。この線をどこに引くかを、作る前に一緒に決めます。
AIに任せる仕事の選び方そのものは、社内にAIを入れるとき、どの仕事から任せる?に書きました。あちらが仕事の選び方、こちらは選んだあとの合わせ込みという分け方です。
実際に、どのくらい動いているのですか?
社内では2026年4月11日から2026年9月8日までに、勤怠の記録が7,125件たまりました。
打刻はLINEから届きます。1日あたりでは60件前後(2026年9月4日時点の30日平均)で、土木・建築・設備の3業種が同じ仕組みに乗っています。日報と経費はグループ5社で運用中です。
この数字を出すのは、多いと言いたいからではありません。「様式に合わせる」という話が、絵の上ではなく毎日動いている物の上での話だと分かっていただくためです。動いていない物を貴社の形に合わせても、合ったかどうかを確かめる場所がありません。
用語を機械に教える話はChatGPTが「出面」を理解しないに、既製ツールと自社製の使い分けは建設会社が使うAIは3種類に分けて書いています。
様式は、作ったあとにも変わります
役職が増えた、提出先の書式が変わった、担当が代わった。作って終わりにならないのは、様式が会社の都合で動くからです。
私たちは作った物を当社のサーバーで動かし、その後の改修とデータ整備を月額で引き受ける形を標準にしています(やります)。作る側と直す側が同じだと、様式が変わった月に止まりません。作り込みの中身は作りますに、道具そのものの画面は建設日報アプリにまとめてあります。
よくいただくご質問
Q. いま使っている出面表のExcelを、そのままの様式で出せますか。
いまお使いのファイルをいただいて、同じ列・同じ並びで出る形にします。合わせ込みの対象は列と単位と並びで、そこに載る数字の出どころが日報と打刻に変わる、という形です。
Q. 現場名の呼び方が人によって違います。どうなりますか。
呼び方の揺れは、こちらで吸収します。工事マスタに貴社の正式名称と、現場で実際に使われている呼び方を一緒に登録しておくと、送られてきた文章からAIが当てにいきます。当たらなかった分だけ管理画面に残るので、事務の方はそこだけ直す形になります。
Q. 法定帳票の判断まで任せられないのは、なぜですか。
間違えたときに責任を負うのが会社だからです。集計して見張るところまでは自動にできますが、上限に当たるかどうか、いくらで確定するかは人が決める形にしています。この線を作る前に決めておくと、あとで揉めません。
まず、いまの出面表を1枚お持ちください
様式が合うかどうかは、話すより見た方が早く分かります。
いまお使いの出面表を1枚見せていただければ、どの列が自動で埋まって、どの列が人の確認として残るかを、その場で線引きしてお話しできます。合わせられない所があれば、その場で「ここは作りません」と申し上げます。
このテーマの記事はまとめ:建設業の日報・勤怠に読む順番で並べています。
まず全体像を知りたい方も、いまの様式のどこまでが自動になるかを個別に相談したい方も、無料60分相談会(前半30分=当社の実例と実画面の説明・後半30分=貴社の話を伺う質疑・オンライン・建設会社限定)をご利用ください。建設業のAI屋として何をして、何をしないかはこちらにまとめています。
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ケンセツベース(ARCFEELGROUP株式会社)
土木・建築・設備の建設グループ(110名・3業種)が、自社でのAIツール8本の内製を主導しました。 評論ではなく、当事者としての実装記録を書いています。
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