入札公告の見方——まず入札方式、一般競争なら参加の条件は添付の公告ファイルで読みます
この記事は「実務Q&A」です。調べ物のための記事です。結論を先に書いています。読み物としての記事は、ブログ一覧の「読み物」からどうぞ。
入札公告は、まず「入札方式」を見ると読み方が決まります。一般競争(事後審査を含む)の公告なら、参加の条件は添付の公告のファイルに書かれています(本文を数えた119件では、119件とも参加資格の記載がありました)。指名競争の公告には、名前に「公告」が入ったファイル自体が付いていないことがほとんどでした。当社が取得した千葉県内の公告443件で、どこに何が書いてあるかを数えました。
書いているのはケンセツベースの「入札係」の中の人です。数字の出どころは「ちば電子調達」(千葉県と県内の市が公告を出している、電子入札と入札情報のシステム)です。当社が2026年9月11日と12日に取得した、公告日が5月12日から9月11日までの公告443件を数えました。内訳は千葉県378件・船橋市19件・印西市15件・佐倉市12件・白井市10件・四街道市6件・鎌ケ谷市3件です。2回取得して重なった分は、1件として数えています。⚠千葉県とその県内の市に偏った数字なので、他県では割合が変わります。
入札公告では、まずどこを見ればいいのですか?
入札方式です。一般競争は、条件を満たす会社ならどこでも参加できる方式です。指名競争は、発注者が指名した会社だけが参加できる方式で、指名されていなければ出られません。
入札公告は、発注者が工事を入札にかけることを知らせる文書です。ちば電子調達では、公告の一覧から件名を押すと開く詳細画面(公告の項目を並べたページ)に、「入札方式」の欄があります。
443件のうち、一般競争が347件(うち事後審査が335件)、指名競争が94件、随意契約(入札をせずに相手を決めて結ぶ契約)が2件でした。「事後審査」は一般競争の進め方の一つで、先に入札をして、落札しそうな会社の資格を後から確かめます。
詳細画面には、何が書いてありますか?
入札方式・工種・公告日・入札の締切・開札の日の5つは、どの公告にもありました。開札は、届いた入札書を開けて金額を確かめ、落札者(事後審査では落札候補者)を決めることです。
| 欄 | 443件のうち | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 入札方式 | 443件(100%) | 一般競争か、指名競争か |
| 工種又は業種 | 443件(100%) | 自社の許可業種と合うか |
| 公告日 | 443件(100%) | いつ出た案件か |
| 入札締切予定日時 | 443件(100%) | いつまでに入札書を出すか |
| 開札予定日時 | 443件(100%) | いつ結果が出るか |
工事の場所も438件(99%)に入っていました。「どんな工事で、いつまでか」は、詳細画面で読めます。
一方で、参加資格・格付・施工実績・本店の所在地を書く欄は、443件とも詳細画面にはありませんでした。添付ファイルの一覧に「参加資格確認申請書」といった様式の名前が出てくることはありますが、条件そのものを書いた欄ではありません。

一般競争の公告では、参加の条件はどこに書いてありますか?
詳細画面の下の「説明文書等」に付いている、公告のファイルの中です。一般競争(事後審査を含む)の347件では、346件に、名前に「公告」が入ったファイル(「公告・公開」「入札公告文」など)が付いていました。残りの1件には、「広告」という名前のファイルが付いていました。
条件の中身は、当社が公告ファイルの本文を数えた119件(すべて一般競争の公告。うち事後審査が109件)で確かめています。119件とも、本文に「参加資格」の記載がありました。内訳は千葉県66件・船橋市17件・印西市15件・佐倉市10件・白井市6件・四街道市5件です。
| 語 | 公告ファイルの本文で数えた119件のうち | 条件の書き方の例 |
|---|---|---|
| 参加資格 | 119件(100%) | 「参加する者に必要な資格は、次のとおりである」 |
| 格付 | 99件(83%) | 「土木一式工事の格付けがB等級又はA等級である者」 |
| 施工実績 | 88件(74%) | 「過去15年間に、土地区画整理事業に係る下水道工事を元請けで施工した実績がある者」 |
| 等級 | 66件(55%) | 同上(「B等級又はA等級」) |
| 「〜に本店」 | 65件(55%) | 「船橋市内に本店がある者」 |
⚠これは語が出てくる件数で、その条件が付いている件数と同じではありません。「施工実績なし」と書いてある公告や、総合評価(価格と技術の点数を合わせて落札者を決める方式)の点数表に「当該管内に本店あり2点」と出てくる公告も数に入っています。
一般競争の公告は、詳細画面だけを見ていると条件が見えません。格付や施工実績は、公告のファイルを開いて確かめます。
指名競争の公告には、何が付いていますか?
94件のうち90件には、名前に「公告」が入ったファイルが付いていませんでした。付いていたのは、仕様書・入札説明書・設計図書・契約書(案)といったファイルです。残りの4件には、一般競争の公告と同じ「公告・公開」という名前のファイルが付いていました(この4件は本文を数えていません)。随意契約の2件にも、公告のファイルは付いていませんでした。
指名されていない会社にとっては、詳細画面で「どの発注者が、どんな工事を出しているか」をつかむ使い方ができます。
締切はどれを見ればいいのですか?
一般競争の公告で、詳細画面に参加申請書の受付日時があるときは、その受付の終わりがいちばん早い締切です。今回、この日時が詳細画面に入っていたのは328件で、すべて一般競争(事後審査を含む)の公告でした。328件とも、受付の終わりが入札の締切より前でした。
受付の終わりから開札までは、いちばん短いもので4日足らず、長いもので35日足らず。半分以上(328件のうち204件)は7日足らずでした。開札の日だけを見て逆算すると、参加申請の受付がもう過ぎている、ということが起きます。
たとえば、当社が取得した千葉県の「防災林造成工事(屋形(2))」の日付は次のとおりでした。
- 公告日=8月21日
- 参加申請書の受付=9月4日から9月8日の午後5時まで
- 入札の締切=9月11日の午後5時
- 開札=9月14日の午前10時10分
⚠公告ファイルには、質問の受付期間など、詳細画面に無い期限が書いてある公告もあります。締切を決めるときは、公告ファイルの日付も合わせて見ます。
予定価格は公告に載っていますか?
載っている案件と、載っていない案件があります。予定価格は、発注者が工事にかける上限の金額です。443件のうち162件(37%)は、予定価格の欄が「事後公開」で、開札のあとまで金額が分かりません。
金額が先に分かる案件だけに絞ると、3件に1件以上は候補から外れます。金額が伏せられていても、工種と場所で当たりは付けられます。等級ごとに出せる金額の考え方は入札の等級(A・B・C)はどう決まるかにまとめています。
よくいただくご質問
Q. 公告の画面を見るだけで、出せる案件かどうか判断できますか?
A. 入札方式・工種と、おおよその締切までは判断できます。一般競争の公告の格付や施工実績、本店の所在地といった条件は、添付の公告のファイルを開いて確かめます。自社が狙える等級の見当は、経審の概算シミュレーターで付けられます。
経審(経営事項審査)は、公共工事を元請けで受ける会社が受ける審査です。点数の概算はどの県の会社でも計算でき、等級の目安が出るのは、いまのところ千葉県・船橋市・国(関東地方整備局)・東京都の4機関です。点数の中身は経審の点数(総合評定値P)はどう計算するかに分解しました。
Q. 指名競争の案件は、見ても仕方がないですか?
A. 指名されていなければ出られませんが、どの発注者がどんな工事をどれくらい出しているかは分かります。名簿に載って指名を受ける側になることを考えるなら、見ておく値打ちはあります。資格を取るまでの順番は公共工事の入札参加資格を取るまでの段取りに書きました。
Q. 他の県でも、同じ数字になりますか?
A. 同じとは限りません。今回の数字は、ちば電子調達から取得した443件だけのもので、他県の公告の置き方は数えていません。他県の公告を読むときは、入札方式と、参加の条件がどこに書いてあるかを、その県の画面で一度確かめてみてください。公告を集める入口を比べるなら入札情報サービスの比較で見る5つの軸が参考になります。
入札方式を見て、一般競争なら公告のファイルを開きます
入札方式と入札の締切は、詳細画面で読めます。一般競争の公告で参加できるかどうかは、添付の公告のファイルを開いて確かめます。
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ケンセツベース(ARCFEELGROUP株式会社)
土木・建築・設備の建設グループ(110名・3業種)が、自社でのAIツール8本の内製を主導しました。 評論ではなく、当事者としての実装記録を書いています。
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