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2026年7月25日

AIの請求書は、1枚では来ませんでした——「うちはAIにいくら払っているのか」を数えた話

私たちは、土木・建築・設備の3業種、約110名の建設会社を経営しています。建設業は20年以上やってきて、この1年ほどは、社内で使うAIツールを自分たちで作りながら回しています。

「AIって、結局いくらかかるんですか」

同業の集まりでよく聞かれるのが、この質問です。効果の方は時間×時給で数える話を前に書きました。今回は逆で、払っている側の話です。

正直に言うと、私たちも最初は「毎月いくら払っているか」をすぐに答えられませんでした。理由は単純で、請求が1枚ではなかったからです。

請求は3種類に分かれていました

数えてみると、AIの費用は性質の違う3つに分かれていました。

ひとつめは、定額のプランです。人が画面から使う分で、月々決まった額が引かれます。ここは分かりやすいです。

ふたつめは、定額の枠を使い切ったあとの追加分です。月の途中で使い込むと、そこから先は追加で乗ってきます。使った月だけ増えるので、月によって金額が変わります。

みっつめが、アプリが裏で使う分です。うちの経費精算アプリが領収書を読み取ったり、日報を要約したりするたびに、その分だけ費用がかかります。人が画面を見ていない時間にも動いているので、見えにくいのはここでした。

この3つは、それぞれ別の形で請求されます。だから、1枚の紙を見ても全体は分かりません。

一番困ったのは「どのアプリの分か」が見えないことでした

金額そのものより厄介だったのは、内訳でした。

アプリごとにいくら使ったかは、それぞれの管理画面を開けば分かります。でも、社内でAIに開発を手伝ってもらっている分——社内ツールを内製するために使っている分は、また別の請求に混ざります。

つまり、「今月のAI代」を知りたいだけなのに、いくつかの画面を開いて、足し算して、ようやく分かる状態でした。

これは経営の判断としては困ります。高い月があっても、それが「作りすぎた月」なのか「使われた月」なのか、説明がつかないからです。

1つのレポートにまとめました

なので、全部を合算して1つのレポートに出す仕組みを作りました。

アプリごとの費用と、社内で開発に使っている分。定額と、枠を超えた分と、アプリが裏で使った分。それを全部足して、「今月、AIに実際いくら払っているか」を1つの数字で見られるようにしました。

作ってみると、当たり前ですが、見えるだけでずいぶん違いました。

高い月には理由があります。大きい改修をした月は開発側が増えるし、繁忙期は読み取りの回数が増えます。理由が説明できると、「高いから止めよう」ではなく「この月は仕方ない」「ここは減らせる」という話に進めます。

逆に、あまり使われていないのに費用だけ乗っている部分も見えました。ここは正直、作った側としては見たくない数字でもあるんですが、見えないよりはずっといいです。

同じ仕事でも、頼み方で金額が変わりました

もうひとつ、数えてみて初めて分かったことがあります。

同じ作業でも、AIへの頼み方によって費用がけっこう変わるんですよね。

たとえば、長い議事録から要点を出すとき。全部をそのまま渡して「まとめて」と頼むのと、必要な部分だけ渡して頼むのとでは、かかる費用が違います。中身の量に応じて費用が決まるためです。

あとは、道具の選び方です。うちのアプリでも、難しい判断が要る場面と、決まった形の書類から数字を拾うだけの場面があります。全部を一番賢いAIにやらせる必要はなくて、簡単な仕事は軽いAIに回せば、その分だけ安くなります。

これは、現場で「この作業に一番大きい重機を持ってくる必要があるか」を考えるのと同じ感覚でした。届けばいいなら、小さい機械の方が段取りも費用も軽い。

ここは、金額が見えるようになって初めて手をつけられた部分です。見えていなければ、たぶん全部を一番賢いAIに投げたままだったと思います。

これから始める会社は、何を目安にすればいいか

よく聞かれるので、私たちの感覚も書いておきます。

まず、人が画面で使う分は、思ったより高くありません。1人あたり月々の定額から始められて、ChatGPTを経営の場面で使うくらいなら、ここだけで足ります。最初の入口はここで十分です。

費用が乗り始めるのは、自分たちで作り始めてからです。アプリが裏でAIを呼ぶようになると、使った回数の分だけ増えていきます。ここは、始める前に見積もるより、小さく作って1ヶ月動かして測る方が早いです。私たちもそうしました。

なので目安としては、最初の何ヶ月かは「金額を確定させる」より「自社の数字を数えられる形にする」方が先だと思っています。他社の相場を聞いても、使い方が違えば金額も違うので、あまり参考になりません。

なお、AIの利用料を経理でどの科目に入れるかは、会社によって扱いが分かれるところです。うちも顧問税理士に相談して決めました。ここは自己判断せず、先に聞いておくのがおすすめです。

見えないコストの方が、たぶん大きいです

最後に、正直な話を書いておきます。

請求書に出てくる金額は、実は分かりやすい方です。作ったあとに見張り続ける手間や、社内に使ってもらうまでの時間は、請求書には出てきません。でも、実際に重いのはそちらです。

だからこそ、出てくる金額くらいは1つの数字で見えるようにしておいた方がいい、という気がしています。見えない部分が多いからこそ、数えられる部分は数えておく。それだけの話ですが、経営の会話はだいぶ楽になりました。

よくある質問

Q. 中小企業がAIを始めるなら、月いくらから考えればいいですか?

A. 人が画面から使うだけなら、1人あたりの定額プランから始められます。全社にいきなり配るのではなく、まず社長と数人で1〜2ヶ月使ってみて、自社での使いどころが見えてから広げる形が、費用の面でも安全です。

Q. 使った分だけかかる費用は、事前に見積もれますか?

A. 正直、始める前に正確に見積もるのは難しいです。読み取る書類の枚数や文章の長さで変わるためです。私たちは、小さく動かして1ヶ月分を測り、その実績から月の見当をつけました。

Q. 社員が使いすぎて、費用が膨らむことはありませんか?

A. 定額のプランであれば、使いすぎても月々の上限があります。膨らみやすいのはアプリが裏で使う分の方なので、そちらに上限や通知を設けておくと安心です。私たちも金額が見えるレポートで毎月確認しています。


まず全体像を知りたい方は建設会社のAI導入 30分説明会へ。自社の場合の費用感を個別に相談したい方は無料相談をご利用ください。AI顧問が何をする仕事かはこちらにまとめています。

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ARCFEELGROUP株式会社

ARCFEELGROUP株式会社。土木・建築・設備の建設グループ(110名・3業種)で、 建設業のIT/DXとAI活用ツールの内製を担っています。評論ではなく、当事者としての実装記録を書いています。

ARCFEEL × AI について

続きは、実画面でどうぞ。

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