2026年7月19日
補助金・経審・制度改正の情報が多すぎる建設会社へ。「うちならどうか」をAIで早くする
情報がないのではなく、ありすぎる
建設会社をやっていると、見ないわけにいかない情報がずっとあります。
補助金。
経審。
許可。
制度改正。
どれも、知らなくていいとは言いにくいものです。
ただ、私たちが困っていたのは、情報が見つからないことではありませんでした。
むしろ逆です。
検索すれば、いくらでも出てきます。
役所の資料もあります。
専門家の記事もあります。
銀行や商工会から「こんな制度がありますよ」と教えてもらうこともあります。
そこで夜、スマホで少し調べ始める。
記事をひとつ開く。
対象条件を読む。
よく分からず、別の記事を開く。
さっきと書き方が少し違う。
公的な資料までたどり着いたところで、文字の多さにいったん閉じる。
翌朝には現場の電話が入り、見積もりの確認が入り、そのままになる。
情報はあったのに、何も判断できていない。
こういう場面は、珍しくありませんでした。
社長が知りたいのは「うちならどうか」
補助金で最初に知りたいのは、世の中に何本あるかではありません。
「うちの会社で、今使えそうなものはあるのか」
まずは、これです。
経審も似ています。
加点項目を全部覚えたいわけではない。
制度の説明を詳しく聞きたいわけでもない。
「うちなら、何をやると効きやすいのか」
「今からなら、どこから手をつけるのか」
そこが見えれば、次に進めます。
担当者に確認するのか。
専門家に聞くのか。
今回は見送るのか。
判断に入れます。
私たちがずっと気になっていたのは、制度そのものより、この「判断に入る前の面倒」でした。
一般論を、自社の話に置き換えるのが重い
制度の説明は、いろいろな会社が読むので、どうしても広く書かれます。
でも、読む側の事情はばらばらです。
地域が違います。
土木なのか、建築なのか、設備なのかでも違う。
元請が中心か、下請が中心かでも見方が変わります。
社員数も違います。
これから買いたいものや、整えたい仕事も違います。
記事には「幅広い事業者が対象」と書いてある。
でも、うちは本当に入るのか。
「生産性を高める取り組み」とある。
でも、うちが考えている設備や仕組みは当てはまるのか。
ここは、記事を何本読んでも、なかなか埋まりません。
情報を集めるほど詳しくなるのに、決めやすくはならない。
私たちにも、そんな時期がありました。
AIには、答えより先に会社の条件を渡す
そこで、AIへの聞き方を少し変えました。
いきなり「使える補助金を教えて」とは聞きません。
先に、会社の条件を渡します。
地域。
業種。
社員数。
元請と下請のどちらが多いか。
直近で考えている投資。
いま困っていること。
そのうえで、「この条件に関係がありそうなものだけに絞って」と頼みます。
すると、一般論の記事を何本も行き来するより、「うちならどうか」に近いところから考えやすくなります。
ChatGPTのような汎用AIは、申請の可否を決める人ではありません。
ただ、散らばった情報を、自社の条件に合わせて一度並べ直す役には使えます。
私たちは、土木・建築・設備の3業種で約110名、建設業20年以上の会社です。
この1年でAIツールを8本内製し、実務に入れてきました。
そこで何度も分かったのは、AIは「正解を言わせる道具」より、「考える前の散らかりを減らす道具」として使うほうが現場に入りやすい、ということでした。
ほかの使いどころは、建設会社の経営にChatGPTが効く5つの場面でもまとめています。
ただし、AIの答えは古いことがあります。
条件を読み違えることもあります。
それらしく間違うこともあります。
最後は、公募要領や公的な資料を確認します。
必要なら専門家にも確かめます。
AIに決めてもらうのではなく、候補を絞り、聞くことを整理する。
私たちには、そのくらいがちょうどよかったです。
社長の机に置く前に、判断できる形にする
「こんな制度があるそうです」と紙を置くだけでは、会社は動きません。
社長の仕事が、ひとつ増えるだけです。
うちに関係がありそうか。
何を確かめるのか。
誰に聞くのか。
今回は動くのか、見送るのか。
ここまで下ごしらえされると、短い会話で前に進めます。
私たちがAIで減らしたかったのは、読む量だけではありませんでした。
読む前の迷い。
読んだあとの置き換え。
相談する前の質問づくり。
小さいけれど、何度も出てくる重さです。
建設業のAI顧問とはでお伝えしている伴走も、何でもAI化する話ではありません。
情報が足りないのか。
情報はあるけれど、判断できる形になっていないのか。
社長に全部集まりすぎているのか。
そこを見て、AIを入れる場所を決めます。
外の情報をさらに増やすより、自社で次の一手を決められる形にする。
制度情報では、こちらのほうが効きました。
全部を追うより、止まらない順番をつくる
外の情報を、すべて追い切るのは難しいです。
制度は変わります。
資料は増えます。
出てくる場所も、書き方もばらばらです。
以前の私たちは、見落とさないように情報を増やそうとしていました。
でも、増やすほど「あとで読む」がたまりました。
そこで、順番を変えました。
まず、自社に関係がありそうなものまでAIで絞る。
次に、原文と専門家で確かめる。
そのうえで、動くか、見送るかを決める。
この順番だと、少なくとも「何から見ればいいか分からない」で止まりにくくなりました。
社長が欲しいのは、制度に詳しくなった実感ではありません。
うちの場合はどうするのか。
誰に何を聞くのか。
そこまで決まることです。
AIは、その判断を代わりにするものではありません。
ただ、判断できる場所まで近づけることはできる。
私たちの会社では、その使い方がいちばん現実的でした。
よくあるご質問
Q. AIに会社の情報を入れても大丈夫ですか?
A. 入力する内容は、必要な条件に絞ります。
取引先名や個人情報、金額などは入れず、地域・業種・社員数・元請か下請か・検討中の投資といった範囲から始めます。
社内で、入力してよい情報の線引きを決めておくことも必要です。
Q. AIが出した補助金や制度の情報は、そのまま使えますか?
A. そのまま決めるのはおすすめしません。
AIの情報は古い場合があり、対象条件を誤って読むこともあります。
候補と確認点を整理するところまでAIを使い、最後は公募要領や公的な資料、必要に応じて専門家で確かめます。
Q. 何からAIに聞けばよいか分かりません。
A. まずは、地域、業種、社員数、元請と下請のどちらが多いか、考えている投資、困っていることを書きます。
そのうえで「この条件に関係がありそうなものだけ」「確認が必要な点も一緒に」と頼むと、話を始めやすくなります。
自社の情報整理から一緒に考えたい方は、無料相談で今の困りごとをそのままお聞かせください。
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ARCFEELGROUP株式会社
ARCFEELGROUP株式会社。土木・建築・設備の建設グループ(110名・3業種)で、 建設業のIT/DXとAI活用ツールの内製を担っています。評論ではなく、当事者としての実装記録を書いています。
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