2026年7月21日
建設会社の新規事業は、ゼロから考えなくてもいい。舗装工事を民間向けに出した話
きっかけは、かなり素朴でした
私たちのグループに、カネケン京葉コミュニティという建設会社があります。
創業は1975年。
千葉県船橋市で、船橋市の道路改良工事など、公共インフラの施工を長く手がけてきた会社です。
カネケンでは、公共工事で舗装をたくさんやってきました。
舗装という仕事そのものは、ずっと本業の中にありました。
あるとき、ふと思ったんです。
この舗装の技術は、民間でも役に立つ場所があるのではないか。
たとえば、駐車場です。
古くなった駐車場をやりかえたい。
傷んだところを修理したい。
そういう需要があるのではないか、と考えました。
まったく新しい技術を思いついたわけではありません。
新しい工法を発明したわけでもない。
公共工事でずっとやってきた舗装を、民間の駐車場にも出してみよう。
始まりは、それだけでした。
スタッフみんなに相談したら、満場一致でした
思いついたあと、スタッフみんなに相談しました。
すると、満場一致で「やってみましょう」ということになりました。
そこで、民間向けの駐車場舗装のプロジェクトが始まりました。
いま振り返ると、この満場一致は、けっこう大事だった気がします。
遠い新規事業ではなかったからです。
知らない業界に入る話でもない。
やったことのない工事を始める話でもない。
毎日の本業で使っている技術を、これまでとは違う相手に向ける話でした。
スタッフから見ても、「それならできる」と思える距離だったのだと思います。
もし、舗装とはまったく関係のない商売を始める話だったら、満場一致にはならなかったはずです。
新規事業という言葉は、少し大きく聞こえます。
でも、私たちが実際に決めたのは、もっと近い話でした。
公共工事で使っている力を、民間の駐車場にも届けてみる。
それなら、一歩目を出せました。
工事より先に、民間向けの入口をつくりました
民間向けに始めると決めて、まずつくったのが専用のページでした。
駐車場舗装の紹介ページです。
これは外注せず、自分たちでつくって公開しました。
ページでは、駐車場舗装の内容だけでなく、料金の目安も公開することにしました。
さらに、駐車場の広さをLINEで送ると、概算の目安が自動で返る仕組みも自分たちでつくりました。
ページの文章も、自分たちで書きました。
市区町村ごとの案内もつくりました。
駐車場舗装に関するコラムも、自分たちで増やしています。
並べてみると、やっていることは地味です。
ページをつくる。
説明を書く。
料金の目安を出す。
相談しやすい入口を用意する。
広さを送ってもらったら、概算の目安を返す。
ただ、公共工事を長くやってきた会社が、民間のお客さまに仕事を知ってもらうには、こういう入口が必要でした。
舗装ができることと、民間の駐車場オーナーに見つけてもらえることは、同じではありません。
技術は、もともと社内にありました。
今回つくったのは、その技術を外に届けるための道でした。
昔なら、試す前に外注費がかかっていました
この話で、私たちがいちばん変わったと感じたのは、工事の技術ではありません。
試し方です。
以前なら、民間向けのページをつくるだけでも、外部の会社に頼む必要がありました。
案内の文章をつくる。
地域ごとのページを増やす。
料金を見せる形を整える。
LINEで概算の目安を返す仕組みをつくる。
ひとつずつ外注していたら、「需要があるかもしれない」と思った段階では、すぐに動きにくかったと思います。
まだ確かめられていない話に、先に費用がかかるからです。
今回は、それらを自分たちでつくりました。
私たちのグループでは、土木・建築・設備の3業種、約110名で、この1年にAIツールを8本、内製して運用してきました。
その経緯は、この1年でAIを内製してきた話にも書いています。
AIを使えば、何でも一瞬でできるわけではありません。
実際には、文章を直したり、仕組みを見直したり、公開したあとに手を入れたりします。
それでも、自分たちでつくれる範囲が増えると、試すための費用は小さくなります。
すると、「あるかもしれない需要」を、机の上だけで考え続けなくてよくなりました。
ページを出してみる。
案内を書いてみる。
相談の入口をつくってみる。
まず外に出して、確かめに行けます。
今回の新規参入は、AIが舗装してくれた話ではありません。
もともと持っていた舗装の技術を、民間に届ける入口を、自分たちで用意できた話です。
新規事業というより、本業の向きを少し変えただけでした
始める前は、民間向けの駐車場舗装も「新規事業」でした。
でも、実際にやったことを振り返ると、ゼロから新しい商売を考えた感じはあまりありません。
公共工事で毎日やっている舗装を、民間の駐車場オーナーに向けた。
変えたのは、技術ではなく、届ける相手でした。
公共から民間へ。
道路から駐車場へ。
遠くへ飛んだというより、隣に一歩ずれた感じです。
この距離だったから、スタッフみんなで「やってみましょう」と言えました。
この距離だったから、ページや案内を自分たちでつくりながら始められました。
もし、白紙からまったく新しい商売を考えようとしていたら、私たちはもっと動きにくかったはずです。
実際にやったのは、社内では当たり前になっていた技術を、まだ届いていない相手に向けることでした。
建設会社には、こういう技術が意外と残っているのかもしれません。
本業では日常になりすぎていて、わざわざ価値だと思っていない。
でも、隣の客層から見ると、頼みたい仕事になっている。
カネケンにとっては、それが公共工事で培ってきた舗装でした。
駐車場のやりかえや修理という形にすると、民間にも届けられる可能性がありました。
新しい技術を探す前に、いま普通にやっている仕事を見直す。
その仕事を、別の相手にも届けられないか考える。
そして、入口を小さく自分たちでつくってみる。
私たちの駐車場舗装は、そこから始まりました。
大きな新規事業を始めたというより、本業の技術が届く範囲を、ひとつ隣まで広げた。
いまのところ、その言い方がいちばん実感に近いです。
よくあるご質問
Q. なぜ、民間の駐車場舗装を始めたのですか?
A. カネケン京葉コミュニティは、公共工事で舗装を多く手がけてきました。
その技術が、民間の駐車場のやりかえや修理でも役に立つのではないかと考えたことがきっかけです。
Q. 専用ページや概算の仕組みは外注したのですか?
A. 外注せず、自分たちでつくりました。
専用ページの文章、市区町村ごとの案内、コラムを書き、駐車場の広さをLINEで送ると概算の目安が自動で返る仕組みも用意しました。
Q. 新規事業は、まったく新しい技術がないと始められませんか?
A. 少なくとも今回の私たちは、そうではありませんでした。
公共工事で使ってきた舗装の技術を、民間の駐車場という隣の客層に向けたことが始まりでした。
自社の本業にある技術を、AIでどう隣の客層へ届けるか。無料相談で、実際の業務を見ながら一緒に整理しています。
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ARCFEELGROUP株式会社
ARCFEELGROUP株式会社。土木・建築・設備の建設グループ(110名・3業種)で、 建設業のIT/DXとAI活用ツールの内製を担っています。評論ではなく、当事者としての実装記録を書いています。
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