一括で直したのに、古い数字が残っていました——「検索して0件」は「もう無い」とは限りません
サイトに載せている数字を、五から七に書き換えました。自社で作って運用しているサイトの数です。
全部直したつもりでした。
その日のうちに、「まだ五のままの場所がありますよ」とスクリーンショットが届きました。直して、もう一度全部を見たつもりで、その二時間後にまた届きました。
検索して直したのに、検索に引っかからない場所に残っていたんです。しかも二度。
私たちは建設の会社で、社内で使うアプリとサイトはこの半年ほど自分たちで作って動かしています。請求書の金額がズレた話は前に書きましたが、あれは計算の道筋が三本あった話でした。今回は計算ではなく、直す前の数え方が外れていた話です。
一度目に取りこぼしたのは、半角スペースでした
最初は「5サイト」という言葉で探して、出てきた場所を直しました。
残っていたのは「5 サイト」。数字と文字の間に、半角の空白がひとつ入っていたものです。
画面で見れば同じに見えます。人の目には区別がつきません。でも探す側から見ると、これは別の言葉なんですよね。
二度目に取りこぼしたのは、見えない指定でした
二度目の方が厄介でした。
数字だけを大きく見せたい場所があって、そこは「5」と「サイト」の間に、文字の大きさを変える指定が挟まっていました。画面では一続きの「5サイト」に見えます。中身では、数字と文字が別々のものとして置かれていました。
だから「5サイト」で探しても出てきません。「5」だけで探すと、今度は関係のない数字まで大量に出てきて埋もれます。
見つけたのは私たちではなく、画面を見た人でした。二度とも。
直す作業ではなく、数える作業で外していました
書き換えそのものは一瞬です。難しくもありません。
外していたのは、その前の「どこにあるか」を集めるところでした。直す力ではなく、数える力の問題だったわけです。
そして厄介なのは、数え間違えたことに気づけないところです。探して出てこなければ「もう無い」と思います。ゼロ件は、無いことの証明に見えてしまう。
建設の書類でも、同じ形で起きていると思います
- 数量の「1,200」と「1200」(カンマが入っているかどうか)
- 全角の「1200」と半角の「1200」
- 数字と単位が別のセルに分かれている
- 会社名の「(株)」と「株式会社」
- セルが結合されていて、見た目は一つ、中身は複数
一括で置き換えたのに残る、の正体はだいたいこのあたりです。見積書、工事台帳、社内の名簿。どれも一度は経験があるのではないでしょうか。
効いたのは三つでした
探す言葉を短くする。 「5サイト」ではなく「5」で探して、前後を目で見る。単位や助詞をくっつけて探すと、書き方の違いで逃げられます。
直した後に、別の探し方でもう一度数える。 同じ探し方で確認すると、同じ穴にもう一度落ちます。一度目に取りこぼした半角スペースは、まさにこれでした。
同じ数字を何箇所にも書かない。 これが本命です。一箇所に置いて、他の場所はそこを見に行く形にしておくと、直す場所が一つで済みます。建設でいえば、数量は積算の表を正にして、報告書や見積書はそこから持ってくる形。全部をそうするのは無理でも、よく変わる数字だけなら現実的です。社員数、拠点の数、料金。この三つは変わります。
AIに直させるときも、外れるのは同じ場所です
ここが今回いちばん考えの変わったところでした。
AIに「全部直して」と頼んでも、AIは探してから直します。探せない書き方で置いてあるものは、AIでも残ります。得意不得意の話ではなくて、探し方の限界がそのまま出るだけなんですよね。
しかも返ってくるのは「全部直しました」です。嘘をついているわけではなくて、見つけた分は全部直しているので、そう言うしかない。
なので、数を聞くようにしました。「何箇所ありましたか」。三箇所と返ってきて、こちらの感覚が五箇所くらいなら、探し方の方を疑います。人に頼むときと同じで、数の確認は失礼にあたりません。

いただいた質問から
Q. 目で全部見ればいいのでは?
数が少なければ、その方が早いです。ただ人は同じ形のものを何度も見落とします。数えるのは機械に、判断するのは人に、という分け方が結局いちばん楽でした。
Q. AIに「全部直して」と頼むのは危ないのでしょうか?
危なくはありません。ただ「全部」の範囲は、AIも探して決めています。頼み方は変えなくていいので、返事のときに数を聞いてみてください。それだけで確かめられる場面が増えます。
Q. 一箇所にまとめた方がいいのは分かりますが、もう散らばっています
全部をまとめるのは、たぶん無理です。よく変わるものから順に、で十分です。年に一度も変わらない数字は、散らばっていても実害が出ません。
見つけた数が違うと、直した数も違います
直す作業は、たいてい簡単です。時間もかかりません。
外れるのはその前で、どこにあるかを集めるところでした。
「検索して0件」は、「もう無い」ではなかった。それが二度で分かったことです。
このテーマの記事はまとめ:建設業の経費精算・資金繰り・経営の数字に読む順番で並べています。
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﨑元 理安(ARCFEELGROUP株式会社 代表取締役)
土木・建築・設備の建設グループ(110名・3業種)の社長として、自社でのAIツール8本の内製を主導。 評論ではなく、当事者としての実装記録を書いています。
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